けやき通信 けやき通信


No.2
『学生アパートの変遷とその選びかたについてのアドバイス』

≪平成10年11月配信≫

昭和30年〜昭和45年頃の学生が住むと言えば「下宿」でした。一般住宅の離れや2階にある部屋(4.5畳か6畳)を間借りし、その建物を所有する家族と他の下宿人との共同生活をし、大学に通学しておりました。(トイレ・風呂・洗面所はその建物内に住む者がお互いの協力のもとでの共同使用でした。)

建物の構造上、個人のプライバシーが保たれることは無っかたと思います。(隣室どうしは襖や薄手の塗り壁で仕切られていました。)お互いが他人を思いやる気持ちを持っていなければ、この共同生活は出来ないものでした。他人に迷惑をかけることをしてはいけないといった不文律がそこにはありました。下宿には食事が付いておりましたが、いつも、いつもその人の好物ばかりが出されいたとは限りませんでした。嫌いなものばかりが連続して出されたこともあったと思われます。

そのときでも、食事を作ってくれた人(下宿屋のおばさん)に対しては次の「いただきます。」「ご馳走様でした。」といった言葉は必ずかけられていました。この節、お風呂には、シャワー設備・蛇口を回せばお湯の出る給湯設備などはありません。ましてや扇風機・エアコンなど絵空ごとでした。

今日、大学生を入居対象者とした新築アパートの仕様は、主に面積は8畳の広さ・床はフローリング加工の洋間・風呂とトイレの入り口には別々のドアがついている・エアコン・BSアンテナ設備・風呂、台所、洗面設備に通じる給湯設備・部屋の前にバルコニー・一間以上の幅を持つ収納スペース・コンセント(電気の差込口)が8口以上・アスファルト造りで白線引きの駐車場の設備が備わり・大学までの距離は1km以内(近所にコンビニ・スーパーがあれば尚よい。)で家賃が月額金47、000円〜48、000円となっています。

この他、学生より隣室との防音が優れていること・ロフト付の部屋・8畳より広い面積の部屋・2階以上の角部屋で側面に広い出窓などの設備のある部屋を求める多くの問い合わせあります。実際、これらの問い合わせに答えるべく隣室や階下のとの間に3重の防音材をいれたもの・9畳の洋間に3畳のロフト付、10畳の洋間などの新築アパートがここ1年・2年で建ちあがっています。

快適空間・利便性の高い設備・外部との遮断性の確立された部屋が人気の的です。

さて、ここで、不動産屋としては不謹慎な一考察を披露してみたいと思います。
(まず、この不謹慎な考察を披露するにあたり、現在、たくさんのしゃれた・ステキな学生アパートを当不動産にお預けいただいている貸主の皆様!!御免なさい。)
この考察をあなたはどのように思われますか。?

あなたが、優秀な成績をもって大学を卒業し、発展途上国の市場開拓に闘志を燃やす超一流企業に就職をしたとします。
アッ!!その前にあなたが、学生時代(4年間)に住んでいたところは、今日超人気の空間・設備・環境がすべて備わっていた快適アパートだったことを付け加えておきます。
就職して間もなくあなたは、赤道直下近くにある発展途上国のジャングルの中にあるダム建設現場への赴任を命ぜられました。
あなたは、日本の最高学府で習得した高度な知識とそして有り余る自己実現欲求を持って現地事務所に赴きました。
あなたは、その日の現場の仕事が終わり宿舎に戻ってきました。(片道2kmの悪路を徒歩で歩いて来ました。大変疲れました。)

部屋は学生時代を過ごしたアパートのように10畳の広さは無く6畳位に2人住まいです。まったく個人のプライバシーなどあったものではありません。(玄関のドアを閉めて鍵をかければ完全に外部と遮断され、個人の快適空間の中にどっぷりと身をを沈められた学生時代のあのアパートをうらめしく思い出さずにはいられません。)

うだるような暑さの中ですが、発電機の関係で快適エアコン設備は有りません。ただ扇風機が1台あるだけです。トイレは共同で使用でしかも洋式ではありません。もちろん、風呂も共同です。入れる時間も決められており、学生時代のようにいつでも気軽にといったことはできません。
1人でゆっくりできる空間に慣れ切ってしまった者に、この環境はストレスの溜まるもとでした。
24時間営業のコンビニも近くにありません。宿舎から作業現場までは悪路を歩いて片道2kmです。学生の時の通学距離の片道300mどころではありません。

ここで、学生時代の4年間を快適アパート空間で過ごしていたあなたは「ああ!!とんでもないところにきてしまったなあー。」とためいきまじりの感想を漏らすのではないでしょうか。
赴任する前に持っていたあのあふれんばかりの「自己実現欲求」はどこへやら行ってしまったようです。これでは仕事にも悪影響を及ぼしかねません。

しかし、昭和30年〜昭和45年頃の学生がこの立場だったらどうでしょうか。
「下宿」で過ごしていたため共同生活には慣れており、1つの部屋での2人の暮らしはそれほど苦にならない。他人を思いやる気持ちは持ち合わせている。風呂・トイレの共同の使用はもともとあたりまえ。エアコンなど夢のまた夢。暑さにも慣れており体力の消耗度などは極々少量で済む体質になっている。これらの経験をした人達はこのような環境の建設現場の生活の中にあっても、他人を気にしながらも気にしないという事(?)ができたと思われます。このため2人部屋でもゆっくりと睡眠することができ休養がとれたため、いつも頭と体力と気力はリフレシュされていた。仕事に対し、初期の目標を充実感をもって達成したものと思われます。

下宿の共同生活の中で取得した経験をフルに発揮することが出来た事が成功のもとであると思います。
将来、発展途上国を含め、世界を股に掛けて活躍をし、その成功を掌中に収めようとしている学生さんにアドバイス。
快適空間・利便性の高い設備付・プライバシーが保てる最新の新築学生アパートより、劣悪空間・不便きわまりない設備付、おまけにプライバシーが一切保てぬ遠距離にある下宿への入室をお勧め致します。(ただし、他人に対しての思いやりの気持ちを確実に育てる事が出来る環境付。)
これが、あなたが、今後、充実した学生生活を送るために捜すアパートの選び方です。

ぜひ、御参考にして下さい。

とは申せ、茨城大学生の皆様へ。来年度建ちあがる大学へ近距離の新築アパート(最新設 備付)をご用意しております。
ぜひ、当、小野不動産へお寄り下さいませ。
心よりお待ちしております。

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